地方企業のWebマーケティングの課題と可能性 - 福岡での出版記念イベントで思ったこと

地方企業のWebマーケティングの課題と可能性 - 福岡での出版記念イベントで思ったこと

イノーバニュース

こんにちは。イノーバ代表の宗像です。

10月24日に福岡で、著書『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本──人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り』の出版記念イベントをしました。

地方でイベントを行うのは、今回が初の試みでした。不安はありましたが、定員35名ぐらいのところ、無事、満員となりました。

福岡の方々と出会って感じたことを書いてみたいと思います。

起業や独立への興味の高まり、女性の割合も高い

印象に残ったのは、参加者のみなさんがすごく熱心に聞いてくださったこと。参加している人の属性としては、女性の率が高かったです。

ネイル・サロンを経営していたり、アクセサリーを制作していたり、その他、自分でビジネスをしている人や、フリーのデザイナーさんなどがいました。

地方でも、起業や独立・開業への興味は高まっているんだと思います。なかには「まだサラリーマンですけど、将来は会社をやりたいです」という方もおられました。

ある方は、「本格的にベンチャーを立ち上げようと準備を進めていたのですが、いったんプランの見直しをしつつ、再度のチャンスを狙っています」と言っていました。

地方と東京ではやっぱり情報格差がある……?

ただ、興味が高まっている一方で、最新の情報は入っていないんだろうなとも思いました。理由はおそらく地方だからでしょう。

出てくる質問も、「Amebaでブログを書いていますが、WordPressとAmebaとは何が違うんですか?」とか「Facebookをやっているんですけど、ブログも書いたほうがいいですか?」など。

あとは、「情報を発信すると、真似されてしまうんじゃないでしょうか。それが怖いんです」という、素朴な疑問を抱いている方もいました。

やはり、地方と東京とのあいだには、大きな情報格差があると思います。僕の知り合いに大阪でネットの広告代理店をしている会社がありますが、「大阪でさえ、東京との情報格差があるよ」という話をしていました。きっと、地方都市だと、もっと格差があるかと思います。

たしかに、インターネットがあれば情報収集は可能です。しかし、周りにそういうことをしている人がいないので、積極的に行動するモチベーションがわかない。もしくは、人から伝わるホットな情報も入手できない。それが地方の問題です。

「地方だから不利」、「情報が古いからダメ」は間違い

もっとも、情報が古いからダメかというと、そんなことはありません。

僕自身、マーケティングの勉強をはじめた当初は、古い情報にもあたりました。しかし、半年もすると、変化のスピードが早いために、すぐ新しい情報にキャッチアップできてしまうんです。昔からやっているということが、必ずしも強みにはなりません。

いま、ネットマーケティングは、SEOの知識がどれぐらいあるかという話ではなく、コンテンツのよさや中身に関心が移行しています。そのため、ユニークなコンテンツを作れることが、そのまま強みになるだろうとも感じています。

地方というのは、それだけで興味をもたれるテーマです。自分の出身地を応援したいというのでもいい。僕だったら東北の人や福島の人に共感をもちますが、そういう共感の得やすさも地方ならではかと思います。

たとえば、佐賀県の武雄市の前の市長さん(樋渡啓祐氏)のSNS発信などは有名ですし、イケダハヤトさんは高知をずいぶん宣伝していますよね。

ほかにも、オーストラリアのクイーンズランド州で、地域興しのために、ハミルトン島の管理人を一般公募したケースがあります(州政府が「世界一素晴らしい仕事」と銘打って管理人を募集)。

アイデアやユニークさをうまく活用することで、地方だからこそ、できるマーケティングがあるかと思います。

今まで何もしてないからこそ、すぐにやれるのも強み

うちのお客さんには、大手企業さんもいれば、中小の会社、個人事業主の方もいます。大手企業だと、Webマーケティングで新しい取り組みを始める場合、社内の調整や、別の部署とどう役割分担をするかなど、難しい折衝も多いです。

でも、もしこれまで何もしていないのであれば、調整する必要はありません。やろうと思ったらすぐできる。あとはやるかやらないかだけの問題です。

たとえば韓国は、ネット先進国として、世界的に有名です。携帯電話も安いし、ネットも安いし、さまざまなネットベンチャーがでてきている。LINEも元々は韓国の会社ですよね。

こういう状態が実現できたのは、これまでネット・インフラを整備していなかったから。一気に新しいものを敷けた、ということです。何もしていないからこそ、新しいものにチャレンジしやすいというのは、ネットのメリットだと思います。

これまでしていなかったことを言い訳にするのではなく、逆にチャンスだと思い、とりあえずやってみる。失敗してもコストは高くありません。とりあえずやってみて、ノウハウを貯めながら、地方ならではの強みを生かして成功することは可能です。

そのあたりに、地方の課題と可能性を感じました。

中小企業のハードルは人がいないこと

地方の人や中小企業、個人などがネットマーケティングになかなか取り組めない理由として、ノウハウを持った人がいないこと、少ないことがあげられます。でも、地方の小さな起業が自由に日本中、世界中の人たちとビジネスの取引をできる状態にしたいと僕は思っています。

だから、これまでそのようにネットマーケティングに取り組みにくかった人に対して、できるだけハードルを下げてあげることをしたいんです。それが、イノーバのミッションでもあります。そのために本を書いたり、セミナーをしたりしています。

ビジネスとしては、「Cloud CMO」というソフトウェアを提供しています。これは、安価でコンテンツマーケティングをはじめられ、PDCAも回せるツールです。ぜひ、多くの方に知ってもらいたいですし、興味をもっていただきたいですね。

現在、よりたくさんの方に使ってもらうために、低価格プランの導入を検討しています。

新しい著書はすぐにマーケティングが実践できる内容に

『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本──人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り』は、コンテンツマーケティングについて、コンセプトやフレームワークなどの考え方から、実践するためのノウハウまでを、わかりやすく整理した本になっています。

前回に出版した『商品を売るな──コンテンツマーケティングで「見つけてもらう」仕組みをつくる』が「社長を説得するための本」であれば、今回の本は「担当者が実践するための本」となります。

おかげさまで評判もよく、「まとまっている」とか「頭が整理された」と言っていただけています。制作は大変でしたが、喜んでもらっている実感が大きいですね。

本屋さん行くと、「アフィリエイトの仕方」とか「Amebaでの儲け方」など、いろいろな本があります。
ただ、どれも各論が中心です。マーケティング的な考え方を理解しながら、どのように発信していけばいいのかまで、きちんと学ぶために。ぜひ、本書をお読みいただければ幸いです。

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